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銀河英雄伝説(小説)


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読み仮名: ぎんがえいゆうでんせつ / 英語タイトル: Legend of Galactic Heroes
注意: これは小説版。その他メディアのページ
アニメ:銀河英雄伝説 / ゲーム:銀河英雄伝説 / 漫画:銀河英雄伝説
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2008/08/17
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2008/02/03 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by ラウンド1 評価履歴[良い:22(63%) 普通:0(0%) 悪い:13(37%)] / プロバイダー: 19667 ホスト:19536 ブラウザー: 5234
この小説は思い入れがあるんで評価はどうしても高くなってしまうな〜。でも贔屓目を差し引いても面白いのは確か。
戦闘におけるタクティクス、人間味溢れるキャラクターと彼らに纏わる人間ドラマ。これらの点が極めて高水準で相当ハマった。政治に関する捉え方はやや偏見が強くて微妙だったが、上記の魅力が欠点をはるかに上回ってたので自分的には問題なし。魅力的なキャラクターが死にまくるのもショックだったけど、それ以上に感動も大きかった。このある種の容赦のなさも作品の魅力だと思う。
おそらく田中芳樹最高傑作だろう(後の作品が酷いのもあるが…)。それ程読む人間も選ばなさそうなのでオススメしたい作品だ。
2007/11/01 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by H&J 評価履歴[良い:330(62%) 普通:62(12%) 悪い:139(26%)] / プロバイダー: 25562 ホスト:25715 ブラウザー: 8090
とかく批判されがちな「専制政治」を「ドラスティックに改革を行うには最適な政治形態である」と表現していたのには目から鱗でした。
この作品を彩るキャラクター達は無論全員個性豊かでしたが、私には数々の名セリフが非常に印象的でした。
特にヤンのセリフには頷いてばかりで、この作品から教えられた物は多かったです。

評価:とても良い
2007/04/07 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 消しゴム 評価履歴[良い:443(58%) 普通:91(12%) 悪い:233(30%)] / プロバイダー: 6476 ホスト:6471 ブラウザー: 5234
自由惑星同盟、銀河帝国、フェザーン、地球教と言った勢力がうごめく世界観、
ヤン・ウェンリー、ラインハルト・フォン・ローエングラム以外の登場人物も一人一人価値観の掘り下げが充分にされて奥行きがあり、
彼らの行為、含蓄に富んだ台詞の数々、それらは、読者の心を掴み、話の長さが気にならないほどの魅力を生み出しました。

特に目を引いたのが、ヤンの死後、ユリアンやイゼルローンに残った人達の言動です。
ヤンが死んで以降、作品のテンションは下がりましたが、それに反比例して作者が読者に発する声が大きくななりました。
2007/01/12 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by MTS 評価履歴[良い:2(50%) 普通:0(0%) 悪い:2(50%)] / プロバイダー: 9956 ホスト:9928 ブラウザー: 7288
なんと言ってもこの作品の武器は「腐敗した民主政治と最高の専制政治のどちらを選ぶか」
という回答困難な問いかけであろう。今の人間なら後者を選ぶ者も多くいるのではないか。
民主主義の本来あるべき姿とは何か、を実によく考えさせられる作品である。
もうひとつの武器は登場人物にある。
ヤンにせよラインハルトにせよ独特の「味」を持ったキャラが数多いることが、
この作品に傑作たるにした大きな要因のひとつであろう。

何かの歴史小説と見紛うようなこの世界観は読む価値が二十分にあるだろう。
2006/12/10 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by Reason 評価履歴[良い:17(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 13924 ホスト:13894 ブラウザー: 4184
帝国軍の個性あふれる提督たちの活躍!自由惑星同盟のユーモアたっぷりの提督&下仕官の皮肉たっぷりの舌戦!!謎の第三勢力の暗躍など読み応えのある全10巻+外伝4巻。その時起こった事件、会戦を後世の歴史家の視点で語っていく形もおもしろい。
田中芳樹の代表的SF超大作!
2006/08/08 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 半月 評価履歴[良い:27(63%) 普通:3(7%) 悪い:13(30%)] / プロバイダー: 13964 ホスト:13753 ブラウザー: 7856
SF作品で一番好きな作品です。
長編作品ですが、ストーリーが
ダラダラした感じが無かった気がします。
キャラクターも上手く個性が現れていて、共感
出来る台詞や名台詞なども多かったと思います。
2006/05/03 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by TCC 評価履歴[良い:1716(55%) 普通:933(30%) 悪い:447(14%)] / プロバイダー: 27203 ホスト:27232 ブラウザー: 4184
ルビンスキーは、イラスト担当の方が書かれた漫画版では、
小野妹子(東京ガスCMのね)同様女にされてましたね。
ひねくれていて、やや取っ付きづらい所があったラインハルトと
親友にして忠実なナンバー2でもあるキルヒアイスの、
「ヴェスターラントの惨劇」への対応を巡る葛藤とか
両者の個性の違いが如実に表出されていて興味
深かったですね。彼等以外にも顔に似合わず(?)剛毅な
ミッターマイヤーや遠謀深慮型のオーベルシュタイン、
ラインハルト暗殺を策した、鋼鉄の襲撃者アンスバッハ、
権力亡者で、彼に自殺を強要させられた、情けない最後を遂げた
ブラウンシュヴァイク等自由惑星サイドよかは銀河帝国サイドの
方が、良くも悪くも面白いキャラが多かったですね。

ヤンへの勝利は叶わずも、見事銀河を統一して、新王朝初代皇帝の座を
ゲットしたラインハルトですが、友人を失い、姉とも疎遠になった心は
満たされないまま、野望達成の為に突っ張ってきた反動で疲れが出たのか、
在位数年で夭折してしまいました。そこには悲しい余韻の味が
ありましたな。伊達にヒットはしていない歴史SF小説の名作ですな。
2006/04/26 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 十傑集 評価履歴[良い:738(52%) 普通:347(25%) 悪い:331(23%)] / プロバイダー: 11009 ホスト:11078 ブラウザー: 5234
多くのミリタリーマニアに影響を与えた傑作なのは間違いなし。
とはいえヤンが死んだ後の話は、ちょっとパワーダウンな印象でしょうか。
後、アムリッツア会戦で同盟上層部は、あれだけ大規模な戦闘を強行させておきながらの無能ぶり
(まあ現実でもイラク戦争などがありましたが、アレは元々攻める側と攻められる側の
国力において前者が圧倒的ゆえの傲慢さに起因しているのでありまして。
田中先生は日中、日露でギリギリ勝ち続けているのに暴走して米国と無謀な戦いに突入した
かつての日本に対する皮肉を言いたかったのかな?)
フェザーンや地球教のさも陰謀で帝国も同盟もいいように操ろうとしながら結果的に
ラインハルト覇権の手伝いをしているケースが多いなど、ややご都合主義な一面アリかな?
2006/02/09 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by のぶ 評価履歴[良い:3(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 50317 ホスト:50270 ブラウザー: 5234
とても面白いです。
それぞれのキャラクターがまるで本当に生きているかのよう。
個人的にはヤン提督が一番好きなキャラクターで、自由惑星同盟の中で育ち、民主主義の本当の意味での守護者であるにもかかわらず、それがゆえに民主主義を守ることが出来なかった矛盾は、彼の最大の苦悩だったのではないでしょうか。
自由惑星同盟が帝国によって弱体化していく中で、自由惑星同盟を救うためにヤン提督ができたことはそれこそ無数にあったはず。しかし、民主政治は民衆によって立つべき制度であり、ヤンは何よりも民主政治を愛していたからこそ、自らの手によって自由惑星同盟を再生する道を選択しなかった。
やっぱり私も民主主義の水を飲んで育った一人ですから、そんなヤンが大好きなのです。
民主政治万歳!
2006/02/02 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by カトル 評価履歴[良い:1185(87%) 普通:61(4%) 悪い:123(9%)] / プロバイダー: 16955 ホスト:16909 ブラウザー: 5234
キルヒアイスが単なる2番目の人ではなく、ラインハルトの個性と相殺しない違う魅力の持ち主になってるのが良い。
小生的には、愛嬌有る張飛っぽいビッテンフェルトがいる分だけ、ヤン艦隊よりラインハルト軍メンバーの方が読んでて楽しい。
フェザーンを除けば、帝国 ・ 同盟の二陣営ながら、
イゼルローン攻防戦 ・ アムリッツァ会戦 ・ 対救国軍事会議 ・ 対リップシュタット連合軍など、
様々なステージが矢継ぎ早に用意されてあるので厭きが無く、直樹田中氏のエンタメに対する姿勢と才腕を実証してる。
惜しむらくは、地球教の役回りが某重要人物殺害以外たいした事でないことか。
2006/01/27 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by みそら 評価履歴[良い:5(62%) 普通:2(25%) 悪い:1(12%)] / プロバイダー: 2408 ホスト:2075 ブラウザー: 5234
何度読み返したか分からない傑作。
小説で、銀英伝以上に登場人物が魅力的で、ストーリーもよく、台詞もいいものは私の中には存在しない。
一人の作家でよくあれだけの人物を動かせたものだ、と外伝・本伝を読むたびに、感嘆するばかりだ。
毎度、正義のあり方について考えさせられる小説である。
2006/01/21 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 黒い翼の天使 評価履歴[良い:13(93%) 普通:1(7%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 50477 ホスト:50439 ブラウザー: 3875
私が小説を読みふけるきっかけになった作品です。
もう何度読んだことか・・・
1巻の最初、時代背景を淡々と説明されてある部分で挫折される方も多いようですが、
それを乗り越えれば、後は一気に読めてしまいます。
ライハルト、ヤンといった魅力ある登場人物の生き様や考え方に、どっぷりとはまってしまいました。
2006/01/14 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 神楽坂葵 評価履歴[良い:66(55%) 普通:24(20%) 悪い:30(25%)] / プロバイダー: 5924 ホスト:5994 ブラウザー: 5471
結構、読み応えがある作品です。唯、登場人物が多すぎって感じもします。それと、ラストへのストーリーの持っていき方が良かったと思います。田中芳樹先生にはめずらしい完成型の作品だと思います。
2006/01/10 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 神 賢一 評価履歴[良い:48(83%) 普通:5(9%) 悪い:5(9%)] / プロバイダー: 7706 ホスト:7387 ブラウザー: 5234
本作品は1982年に1巻初版が刊行され、20年以上経った現在でも幅広いフリークが存在する、田中芳樹の代表作であると共に、日本におけるスペースオペラの代表作でもある。
本作品ではこれまでの高千穂遥氏らが確立し後の作品に多大な影響を与えたSFとは異なり、宇宙国家間戦争を組織とそれに属する人間を基に描き出した、大河ドラマ的作風に仕上がっている。

本作品の特徴は何よりも帝国、同盟両陣営の魅力溢れる登場人物であろう。主要な登場人物は細微にまで特徴を描き出され、相関することによりキャラクターが活字内で「活きた」行動を示すところにある。
それゆえにファンによるキャラクターへの思い入れは極めて強く、現在でもファンサイトは盛んな交流を見せることになる。

また、田中氏は元来が架空伝記的小説を志向する傾向があり、本作品も伝記的手法により客観性を持った視点によって、帝国、同盟という相反する陣営を平等に描き分けることに成功している。
そのため、作品内でもヤン・ウェンリー自身が語っているように、敵陣営=悪と言う単純な二元論による描き方はなされておらず、むしろ自陣営にこそ相容れない存在があるという、ヒューマンドラマを扱う上でリアリティを感じる人材配置を行なっている。

その登場人物であるが、本作品には「万能の天才」と呼ぶに相応しいのは、帝国側の主人公であるラインハルト・フォン・ローエングラムぐらいであろう。
ライバルであり同盟側の主人公であるヤンの場合は、深い洞察と柔軟な思考により作戦遂行においては極めて優れた能力を示すものの、軍に対する中世や勤勉さの面では軍人としては失格に極めて近い位置にあり、それがむしろヤンの人間臭さを表していると好意的に受け取る人が多い。
また、同盟軍第13艦隊(後のイゼルローン駐留艦隊→ヤン艦隊)の面々はいずれ劣らぬ個性派揃いで、本来の軍隊であれば明らかに傍流どころか末端に追いやられる様な面子を、さらに個性的であるヤンがそれぞれの個性を受け容れてくれることで、欠点だらけの中に潜む極めて優れた能力を開花させることになる。
それとは逆に巧みな統制能力で、万事秀でた能力を持つ多彩な陣容を操るのがラインハルトの統制法と言えるであろう。当然、帝国軍にもフリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトの様に偏った人物もいるにはいるが、同盟より豊富な手駒を持つラインハルトにとってはビッテンフェルトの様な偏った人物もその役を当てはめる術があり、それが多彩な軍の運用法に繋がっていると言えよう。

本作品のファンにとってはやや傍流の流れになるが、軍政面や治世面の動きと言うのも着目すべきところであろう。
第三勢力たるフェザーンの存在は、その後の地球教への流れにおいて欠かせない存在である。また、特に同盟側の最高評議会の腐敗の状況やその首班たるヨブ・トリューニヒト、帝国側における門閥貴族など、旧体制に固執し、既得権益を巧みに或いは強引に維持しようとする姿なども、本作品の底流としてラインハルトやヤンなどの主要人物へ多大な影響を与えている。

本作品の問題点をあえて挙げるとすれば、スペースオペラ言う本来SFに内包されるべきジャンルにおいて、設定面を含めて科学的論拠を重視していない面があるということであろう。
従来のSF作品では科学的な論拠を構築し、その上で作品の背景などを設定し、作中においても設定した科学的論拠を活用して話を進めることが多くなる。解り易い例で言えば『宇宙戦艦ヤマト』の波動エネルギー(タキオン粒子)であり、『機動戦士ガンダム』のミノフスキー物理学であったりする。そう言う観点からすると、本作品はスペースオペラでありながらSFではない作品、と言えるであろう。

しかしながら、この事が「宇宙叙事詩」である本作品の面白さに影を落としているかと言われると決してそんなことはなく、壮大なスケールを持った本作は歴史に残る娯楽作品であることは相違ないであろう。
2006/01/01 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by MOTOKI 評価履歴[良い:20(83%) 普通:1(4%) 悪い:3(12%)] / プロバイダー: 18088 ホスト:17810 ブラウザー: 5407
自分にとってSF小説を読むようになったきっかけといえる作品には、海外のものではアイザック・アシモフの「銀河帝国興亡史」シリーズ、E・E・スミスの「レンズマン」シリーズ、ドイツ発の大河スペースオペラ「ペリー・ローダン」シリーズだったりしますが、日本人作家の手によるものとしては「銀河英雄伝説」になります。最初のノベルズ版を読み始めたのが高校生の時で、ほぼ同時期に道原かつみ先生のコミック版も読むようになり、秀麗なキャラクターデザインに惹かれたりもしました。ちなみにコミック版銀英伝はそれまで漫画といえばジャンプなどの少年誌という狭い視野を広げる事になったきっかけともいえる作品だったりもします(またこれをきっかけに道原先生のファンにもなった次第です)。

スペースオペラの形をした架空歴史小説だけあって、その中から政治や戦争、また人間の生き方に至るまで色々なものを知る事ができ、ただ単に物語の世界を楽しむだけのエンターテイメント以上に価値ある作品だと実感しています。何よりも強いインパクトを感じた所は、「民主政治は善、専制政治は悪」といったステレオタイプな勧善懲悪ではなく相対する銀河帝国にも自由惑星同盟にもそれぞれの正義が存在し、「最良の専制政治、腐敗・堕落した民主政治」というテーマを挙げている点にあります。後者に関しては、民主政治の担い手は国民一人一人であり、例えどんなに腐敗した政治が行われているにしても、それを正していくのは国民の力であって、軍人や権力者が強権を持って正していくのではないという事は痛いほど認識させられました。

確かにラインハルトが戦場で華麗な戦略・戦術を駆使し、特権を享受する門閥貴族を含めたゴールデンバウム王朝の悪弊を一掃して清廉な政治を実行する姿には憧れを抱きましたが、一方でヤンが本来は歴史家志望であったにもかかわらず軍人となって類稀な才能で自分の意志とは反対に同盟軍の要職にまで上り詰め、その過程で腐敗した政治家と民主政治の理想との間に挟まれながらも民主主義を守る姿には共感する所もありました。ストーリーを通して見ると、ラインハルトとヤンはお互いが良きライバルとして認めているだけにどこかで上手く共存共栄していく事は出来なかったのかと思う事もありました。ヤンは地球教徒のテロに遭って無念の最期を遂げてしまいますが、最後の最後まで生き延びて欲しかった人物でもあります。軍人のみならず公職から退いて、自分の望みであった歴史の研究に余生を送るという方が似合っていると思う方は銀英伝を読まれた方には少なからず居るかと思います。キルヒアイスにしてもロイエンタールにしても最後まで存命していて欲しかった人物を挙げたらきりがありませんが、人の生き死にに関しても色々と考えされられるものがありました。単にお涙頂戴といった次元を通り越して、憧れや共感の持てる人物の死には一種の哀れみや喪失感が感じられ、片や「なんでこんな奴が!」というような悪役や汚れ役といった人物がしぶとく生き延びている様には嫌悪感を感じてしまったりもしました(しかしながらそれらの悪役・汚れ役も最後に待っているものは「死」でしたが)。

これは私の私見ですが、銀英伝そのものについて考えてみると小説やアニメ、コミック、ゲームを含めた日本のSFメディアにおける一つのモデルとして確立されていると思う事があります。ノベルズ版での本編が終了した後の80年代後半から21世紀となった現在に至るまでの純文学やライトノベルにおけるSF小説(あるいはファンタジー小説)などで銀英伝の影響を受けた作品が見受けられる事にあります(またネットで発表されているSF小説にも影響を受けている作品も少なからず存在していると言えるでしょう)。宇宙を舞台にしたシミュレーション(ストラテジー)ゲームにて二つあるいはそれ以上の勢力が大艦隊戦を繰り広げるという設定もその表れであると思います。宇宙空間で双方合わせて10万隻を越える大艦隊がぶつかり合う作品というものは銀英伝以前にもある事はありますが、そこに戦略や戦術が備わる事で大規模な艦隊戦に奥深さを与えたという所にも(旧来の)スペースオペラという概念や領域では括る事の出来ないものがあると考えています。

以上に述べた事からも、政治や戦争、歴史、人間ドラマなど様々な面から考えさせてくれる作品であるだけに後世にも伝えていくべき作品であると思っています。
2005/11/26 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by さくらもち 評価履歴[良い:15(60%) 普通:7(28%) 悪い:3(12%)] / プロバイダー: 5724 ホスト:5798 ブラウザー: 5234
スペースオペラの形式をとった架空歴史小説であり、ぼくがこれまで読んだ小説で、一番の傑作であり、なおかつ、未だに銀英伝より好きな小説が現れていないほどです。

これはよくある絶対悪と絶対善の争いではなく、相対的な正義と正義が、互いの主張をかけて争っている物語ですが、主人公のラインハルトとヤン(というよりも、ラインハルトと自由惑星同盟といった方がいいか)は、二人とも悪逆なゴールデンバウム王朝を倒し、新しい世界を作ろうとしていたということは共通していますが、専制政治か民主政治かの、ただ一つの違いにより、争わなければいけないといっていいでしょう。
ヤンはラインハルトを「天才」と絶賛し、ラインハルトもまた、ヤンを極めて高く評価していて、互いに尊敬し合っている雰囲気がありました。
この二人がもっと早く、別の形で出会っていたら、共にゴールデンバウム王朝打倒のため、良き友になっていたのではなかったか?しかし現実は、戦うことでしか、互いの主義を主張できなかったのかというのは、ある意味で悲劇です。
しかしヤンの死後、ユリアン達が民主共和政治復活の第一歩となる、小さな芽をつくりました。これからは苦難が待ち受けているでしょうが、「武器を持たぬ戦い」に勝利するために、長い旅に出発しましたが、この旅が成功に終わることを、願ってやみません。

帝国側の将帥、特に上級大将、元帥クラスの将帥は、一人一人が水準以上の能力を持っているというイメージがありますが、同盟の将帥は、やはり水準以上の能力を持つ者が少なくありませんが、帝国に比べると、やはり小粒という印象があります。
例えばアッテンボロー中将VSミッターマイヤー元帥の対戦が実際にあったら、アッテンボローはミッターマイヤー艦隊に善戦するも、やはりミッターマイヤーが勝つと思います。もっとも彼は、ヤンよりも遥かに才能の均等が取れていて、もし同盟が存続し、後方で戦局全体を見る経験をさせていて、元帥に昇進したとしたら、もしかすると「帝国の双璧」にも勝てるかもしれません。

ラインハルトの親友のジークフリード・キルヒアイス。ジークは欠点らしい欠点がなく、全ての面において非常に高い能力を持っていて、しかも人格者でもあります。まさに完全無欠にふさわしい人物です。
たとえ身分が下でも、年が自分より上の人物に対しては、丁寧な口調で話しているところが、彼の目下の人間に対する優しさと、礼儀正しさが現れています。
でもそんな彼の欠点は、親友であるラインハルトに、敬語で話していることです。確かに軍務など公の場では仕方がありませんが、プライベートの時も敬語で、しかも「ラインハルト様」と様付けで呼んでいるところが玉に瑕です。
公の場ならともかく、親友なんだからプライベートまで敬語を使う必要はないじゃないか!!!

この銀英伝は、難しい言葉や文語的表現がやたらと出てきて、キャラの言い回し、特に帝国のキャラの台詞回しは、かなり時代がかかった台詞で、まるで一昔前の小説を読んでいるような雰囲気があります。でも、それがまたいいんですよ。下手に若者に媚びていなくて、それが田中氏の持ち味になっています。

銀英伝は、外伝がまだ未完なので、それが欠点の一つかなと思います。しかし、その欠点があっても尚、銀英伝は最高の評価にふさわしい小説です。
やはり田中氏の最高傑作は、銀英伝と言っても過言ではありません。
2005/11/22 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by patofu 評価履歴[良い:7(88%) 普通:0(0%) 悪い:1(12%)] / プロバイダー: 21366 ホスト:21029 ブラウザー: 6363
はっきりいって設定とかに突っ込むと物語が成立しない。そしてSFはそこを突っ込んではいけないのだ。

魅力的な人物以上に、その時代を描いており、読み終わったあとにあたかも自分が歴史に生き証人のような感覚を持ってしまう。
現代の我々は、国の統一だとか、叛乱だとか、征服といった要素は肌で理解できない。逆に言うとそこに思い入れがなく、ある程度中立に見ることができる。
だからこそ後世の歴史学者の立場で紡がれる伝説が、私達の体内に自然と入っていき、強く心に残るのだろう。

銀河帝国と自由惑星同盟、異なる立場にいる二人の英雄。
ただただ天を駆ける黄金獅子の若者と、自己の矛盾と理想に挟まれながら歩く青年。
人の理想像と現実像とを見せられながら、周りの人物が補完し、読む者全てを惹き込んでいく・・・

こちとらテスト前に徹夜して読んだっちゅーねん。

歴史が動く時、そこには必ず"死"というものが存在する。
ロイエンタールの言葉をかりれば「歴史というやつは、人間同様、眠りから覚めるとき咽喉をかわかしている。…歴史は大量の血を飲みほしたがっている」
多くの死が、生き残る事の輝きを際立たせ、生あるものを再び、死地へと旅立たせる。「明日死ぬ事ができるのは、今日生き残ったものだけ」

人殺しの田中と呼ばれようが、きちんと生と死を書いてくれたのには感謝。
何度も読み返しているけど、ヤンとキルヒアイスの死ぬ場面は2回しか読んでない、というか読めへん。

たったひとりの作者が、あれだけの名言を残した。キャラクターが発する事で自然なセリフとなり、人々が語り継いでいく。その一片の事実をもってしても名作である事が分かる。
[獲得推薦数:1] 2005/11/20 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by バスター!パンダ 評価履歴[良い:43(88%) 普通:3(6%) 悪い:3(6%)] / プロバイダー: 40374 ホスト:40453 ブラウザー: 3874
うほ!ただただ、懐かしい。
キーワードは、「N君」、「ボレロ」、「気になるセリフ」、「アレキサンダー」←何のことやらと思うかもしれませんが(汗)
・「N君」
この作品を知ったのは、高校時代同じ部活でいっしょだった、ジークみたいに人がいいN君(元気かい!)が貸してくれたアニメビデオからだった。
どんな内容かも説明もせず、「面白いから見てみて」と大量に手渡されたビデオ、正直あんまり見る気はしなかった。
でもとりあえず見た。最初の感想は、
「海外のアニメ?なんか地味だな〜。N君が貸してくれるアニメにしちゃ、美少女とロボットが出てこんな(笑)(←偏見)」
だったが、途中から……ド・ハマリ!!(N君ありがとう!)
あの頃はアニメでは第一部(ジークが亡くなるところまで)しかなかった。続きが気になってしようがない。
で、一気に10巻まとめ買いして、一気に予備校の自習室でまとめ読み(……ってだめじゃん)しました。
それまで戦闘・戦術の面白さしか知らなかった僕にとって、戦略の妙というか、戦略の重要さを知った作品でした。

・「ボレロ」
PC-98から出ていたボースティクの『銀河英雄伝説4』と拡張版(面白いです)をやっていたとき。
通常画面ではもっぱら「ボレロ」の曲、バトルの時は「新世界」(だったかな?)。
ので、テレビのCMなんかで「ボレロ」が聞こえてくると、ギンエイデンのあの艦隊だらけの宇宙に思いをはせる。

・「セリフ」
名セリフは多い。僕が気になるのは、
「信念とはあやまちを愚行を正当化するための化粧であるにすぎない。化粧が濃いほど、その下の顔はみにくい」
「信念のために人を殺すのは、金銭のために人を殺すより下等なことである。なぜなら、金銭は万人に共通の価値を有するが、信念の価値は当人にしか通用しないからである」(第6巻 第三章 訪問者 P83)
この文章を知って以降、「信念」という言葉、やたらとその言葉を吐く人に警戒を持ってしまった。

・「アレキサンダー」
既出ネタでしょうが、あえて(汗)。
ラインハルトとアレキサンダー大王(アレクサンドロス3世)は共通点が多い。
第一巻の「アスターテ会戦」の時、ラインハルトは20歳。アレキサンダーがマケドニアの王になったのは20歳。
ラインハルトは25歳、病で亡くなり、アレキサンダーは32歳、歳は違うものの両方ともあまりにも早すぎる。そしてやはり同じく病で亡くなる。(暗殺説もあるが)
ラインハルトには腹心の友キルヒアイスがいた。
アレキサンダーにもヘスファイスティオンという存在がいた。
どちらも戦略・戦術の天才であり、周りに優秀な側近たちがいる。

もちろん違う点もある。その最大の違いはやはりライハルトには宿敵ヤンがいて、アレキサンダーにはいなかったこと。
この作品は、もし、インドに象がいなくて(笑)アレキサンダーの軍隊が中国まで攻めてきて、昔中国にいた(ヤンみたいな)すごい軍師・将軍(諸葛亮孔明とか?う〜ん、他の名前が浮かばん)が指揮する軍隊と対決したなら?という誰もが夢見るロマンシングな話なんでしょうね(時代調整しないといけないが)。

早すぎるアレキサンダー亡き後、国は側近たちによって4分割(3分割?)された。その側近の一人カッサンドロスはアレキサンダーの母、妻、子を処刑した。もし、ラインハルトの生前に猛禽ロイエンタール(僕は彼がカッサンドロスに当たるのではないかと思う)が謀反を起す状況に追い込まれなかったら……ひょっとしたら最後は帝国が分断されて悲劇的なドラマが待っていたのかもしれないと妄想〜。

なんだか今年大勝なされたある代表は、民衆支持の掌握に(だけ?)長けた野心家トリューニヒトと「私心がない」(?)ことが強みの冷徹なオーベルシュタインをあわせ持ったタイプに思えてしょうがない。ちょっと不安……。

長々と個人的な語りになっちゃってすいません(汗)
2005/10/09 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by GekoGeko 評価履歴[良い:7(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 50835 ホスト:50871 ブラウザー: 6363
個性的なキャラクターが面白かったですね
昔夢中で読んでました、読書をするようになったきっかけでもあります。

今見ると物語自体はかなり浅いといいますか、宇宙だから仕方のないことかもしれませんが
戦闘は指揮官個人の能力(掛け合い)で決まることが多いいですし、
そして展開もなんか中だるみ感があり、もう少しシャープにまとめられたのではとも感じます。

けれどもそれを補って余りある、キャラの魅力といいますか
セリフ、状況表現の面白さにこの作品はつきます。
エンターテイメント性を追求していますね。

読んだ人にだけわかる、通じる共通の会話というのも面白いものでした。
そしてこの作品が、三国志や、項劉記などのオマージュであるというのも
後でわかり、なかなか楽しいものでした。

子供がいたら、見えるところにおいて読書の楽しみというものを
知ってほしいと思います。
2005/10/08 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 白砂 評価履歴[良い:31(70%) 普通:11(25%) 悪い:2(5%)] / プロバイダー: 36182 ホスト:36065 ブラウザー: 5234
今まで読んだ小説の中でも、5本の指に入るような、すごい作品です。

緻密で、味があり、ドラマチック。
一気に読みました。
この小説から、かなりの影響を受けていると思います。

作者の政治思想がもろに反映されているのが、気にはなりますが。

余談になりますが、挿絵があまりない方(トクマノベルズ?)をお勧めしたいです。
あの少女マンガチック(しかも一昔前風味)なイラストは、どうしても抵抗があります。
2005/10/08 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by 634 評価履歴[良い:1418(50%) 普通:555(20%) 悪い:867(31%)] / プロバイダー: 13637 ホスト:13336 ブラウザー: 5234
ヤン・ウェンリーがとにかく最高でした。考え方が超現実的なのに、早く現実から離れたい、俗世間とは無縁でいたいというヤンと思いを共有したがる人は多いでしょう。
ヤンのモデルになった人物は作者と、三国志最大の軍師だと思います。しかし、「上品な帝国、下品な同盟」という見方が出たのはヤン艦隊ならではでした。帝国側はあまりくだけた話がなかったので、同盟側の方が肩がこらずに見られました。

ヤンが帝国へ行って、自分達の他愛のない笑い話をしたとしたら、帝国人全員が「そんな話のどこが面白いんだ?」と首を傾げただろうと思います。シェーンコップはそんな同盟(とゆーよりヤン艦隊)流ユーモアと、帝国的思考を持っていたので、最後で死んでしまったのは惜しいと思いました。カリンが言う通り「5回や6回位殺したって死ななそうだったのに」という人物だったのですから。

ラインハルトの臨終のシーンが三国志の死の床に伏せた劉備がモデルになったのは有名ですが、あの時、ロイエンタールが生きていたら、秀吉の最後のシーンになったかも知れないと思えました。ロイエンタールが家康で、ミッターマイヤーが前田利家で、オーベルシュタインが石田三成になったのではないかと。
そう思うと、グリルパルツァーが小早川秀明になったかも、とも思います。
[獲得推薦数:1] 2005/10/01 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by Reuentahl 評価履歴[良い:63(52%) 普通:23(19%) 悪い:34(28%)] / プロバイダー: 46348 ホスト:46196 ブラウザー: 5234
「銀河英雄伝説」は、80年代後半の時点で既に本編は完結していて、今日から見れば、いわば過去の作品とも言えます。しかし、この作品で描かれている社会は、まさに現代社会のことを風刺しているようにさえ思われ、つい先年に書かれた、まだ真新しい作品のような錯覚に襲われます。
それにしても、この作品との出会いは、私にとって非常に大きいものでした。私の現在のアイデンティティーは、銀英伝によって培われたものと言っても過言ではありません。高校2年の春、この作品に出会ってから、私は、人の人生の価値というものは、その生きている長さで決まるものではない。生きている間どれだけの充実した時間を過ごしたか、どれだけの間「自分は今生きている」と感じる時間を持ったかということで決まるものだと悟りました。そして、この人生の中で、何かを成し遂げたいと強く感じるようになりました。別に、作品中に、そのような考えが銘記されていた訳ではありません。しかし、ラインハルト、キルヒアイス、双璧、オーベルシュタイン、ヤン、ユリアン、ビュコック・・・といった各々別の人間なれど、それぞれ充足した人生を見せてくれた登場人物が、私にそのような思いを抱かせるようになったのです。
さて、銀英伝へのオマージュはこれくらいにして、作品の検証を述べたいのですが、この作品の長所も短所も、既に他の論客の方々がかなり検証してくださっているので、私には、作品そのものの検証をする必要は無いようです。そこで、幾人かの登場人物について考察を述べさせていただきます。
まずは、ヤン=ウェンリーについてです。ロイエンタールと並ぶ当作品の最大の人気キャラですが、私にとっては、どうも腑に落ちないキャラなのです。ヤンは、民主主義を愛し、自由惑星同盟の民主政に対し、何度も不満や失望の言葉を口にしていました。しかし、それではヤンは、何か、その状況を改善するべく行動を試みたでしょうか?何もやっていません。確かに、ヤンは、年金生活中に「自由惑星同盟再生計画」みたいなものを考えていたようです。しかし、それは、自由惑星同盟が実質的に形骸化された後のことであり、スタートが遅すぎます。
そもそも、銀英伝を通じて、あるいは、今日までの現実の歴史を振り返ってみて明らかなのは、民主主義国家の抱える最大の難問は、市民が、本来は資質の無いはずの元首を支持するようになったときに一体どうすればいいのかということです。しかし、ヤンは、その方面の解決策は、なんら示しておらず、問題回避をしているようにさえ思います。一般市民はこれで許されても、この先、民主主義を残すためにと称して戦争を行った人としては、その資格、自覚に欠ける言動だと私は思います。
もっとも、ラインハルトが銀河帝国の実権を握った後、自由惑星同盟に侵攻してくるまでは、ほとんど期間がありませんでした。だから、ヤンには民主主義に関する行動を行う間が無かったのかもしれません。しかし、それでも私は、作品中から読み取れるヤン=ウェンリーという人物像からは、たとえ時間があっても、行動を起こさなかったのではと読み取ります。
次は、パウル=フォン=オーベルシュタインについてです。私が、初めて銀英伝を一通り読んだ時点での彼に対する感情は、正直に言うと嫌いだ、でも嫌いになりたくないという不思議なものでした。恐らく、当時私は、こんな冷たい人物に眉一つ動かさず歴史を動かされたくない、また、こんな人間関係の貴さを理解できなさそうな奴の差し出口で、間接的にキルヒアイスが死に至らしめられたのではキルヒアイスもラインハルトも浮かばれない、読者としてこのようなことは耐え難い、などと思っていたのだと思います。そこで、数年にわたり、彼のことを考察してきました。その結果が、以下の通りです。
オーベルシュタインは、一見、ラインハルトとキルヒアイスの友諠に対して冷淡に見えます。しかし、私は、これは冷淡とか有表面的な表現に止まらない複雑な感情から来るものだと思います。オーベルシュタインは、目の障害者でした。普通の社会でさえ、障害を持つ人は隔意をもって他人から接されることがとても多いです。ましてや、ゴールデンバウム王朝銀河帝国では、さらにひどい接され方をされたのではと推察できます。彼は、恐らく、出会う人々全てから、暖かく接されることが無かったのではないでしょうか。友人を作る環境さえ持てないという人生だったのではないでしょうか。そんな彼の前にかの2人が現れたとき、彼は一体どのように思ったでしょうか。自分と正反対の羨ましいばかりの人間関係にある彼らを目の当たりにするにつけ、オーベルシュタインは、顔には出さずとも悲しみに近い感情を覚えたのではないかと私は思います。恐らくオーベルシュタインは、2人の関係を理解できなかったのではなく、理解したくなかったのではなかったのではないでしょうか。
私が、上のような考えに至ったとき、私の中でのオーベルシュタインに対する評価が、劇的に上がりました。誰からも冷たくされる中で、孤独なまま何十年と生きてきたオーベルシュタインと言う人物は何と言う「強い人物」なのだろうと思ったのです。パウル=フォン=オーベルシュタインと言う人物は、その人生を、強い心を持って立派に生きた人だったのです。
最後に、銀英伝の魅力について少しだけ。先ほど、私は、ヤンが嫌いだということを書きましたが、思えば、ヤンのような主役級のキャラクターが嫌いだということは、個人的な、その作品評価にも多大な影響を与えてしまうはずです。しかし、私にとっては、ヤンが嫌いだということをもってしても、銀英伝に対する評価は、幾分も落ちるものではありません。むしろ、なぜ嫌いなのかと言うことを考えさせられ、知的な楽しみを得られるのです。ラインハルトが嫌いと言う人の多くもそうではないでしょうか。そんなことを考えると、この作品の懐の広さを感じます。
2005/08/31 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by オルタナティヴ 評価履歴[良い:255(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダー: 32756 ホスト:32745 ブラウザー: 2771(携帯)
政治関連の主張には青さや幼さを感じますが、それ以上にあれだけのキャラクターを立てたことが素晴らしいです!
主要キャラクターが死んだことにはショックを受けましたが、それがこのシリーズが人気のある理由の一つでもあると思います。
田中先生の作品の中では最高傑作だと思います!失礼ながら最近の田中先生の作品だけを読んで失望された方にはこちらを読んで欲しいですね。
2005/08/15 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by たお 評価履歴[良い:155(82%) 普通:9(5%) 悪い:26(14%)] / プロバイダー: 45539 ホスト:45461 ブラウザー: 5832
体制もしくは主流に反抗する主人公(著者の投影?)ヤンと、己が理想を完璧に実現しようとストイックに
行動する主人公ラインハルト、ふたりの主人公を中心に(といってもふたりとも途中で死んでしまうが)
展開していく物語。「最悪の民主主義?」と「最高の専制?」の対比?
主人公たちを取り巻く多彩な個性を持ったキャラが魅力的で、
読み出したら止まらなくなるであろうこと必至の傑作。学生時代にテスト勉強をさぼって読みふけった覚えあり。
舞台は宇宙だが、宇宙戦(艦隊戦)の戦略・戦術は平面的で舞台を地上に移しても問題はない。
空間を生かす演出になっていないのは残念だが、人と人、組織と組織の対立構造と物語に力点を置いている
著者の意向を考えるとそのような瑣末な点に目を向けることに意味はなく、さまざまなキャラクターの
行動に注目して読むのが正しくもあり、そしてなんと言っても楽しい。
新書版だとヤンは8巻で逝ってしまうが、その亡き師父を思いやり、公園で思索に耽るユリアンの描写に
ウルウルしたのを思い出す。人は「大切な人の想い」を受け継いで生きていくのだなあ、と。
ヤン・ウェンリーという個性、人となり、彼の考え・思想、そして想いが、このシーンで宇宙全体へ
普遍的に広がっていくような気がし、彼の死に対する悲しみを乗り越えることができたような気がする。
2005/07/13 とても良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by らりるれろ 評価履歴[良い:46(41%) 普通:15(13%) 悪い:52(46%)] / プロバイダー: 20787 ホスト:20753 ブラウザー: 6305
他の方々が仰るとおり、確かに、政治に関することは地に足が着いていない妄想で共感は出来ませんが、これほど多くのキャラクターを登場させて立たせていることは凄いと思います。
ただ、これはSFかというとかなり疑問符がつきますね。自由と独裁の対立を描くために舞台を宇宙に設定しただけで、SF考証も作中に出てくる艦隊運用などもかなり稚拙な部類になるのではと思う。
ただ、銀英伝の面白さとはあまり関係ないので、それほど気にはなりません。
やはりこの作品の面白さはキャラクターと人間ドラマですね。
キャラクターの台詞もかなり面白いです。
アッテンボローの「連戦連敗にも関わらず、そのつど階級を上げる奇跡の人」は思わず笑ってしまいました。
2005/07/13 良い [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by バトゥ 評価履歴[良い:223(74%) 普通:44(15%) 悪い:36(12%)] / プロバイダー: 39254 ホスト:39156 ブラウザー: 5922
言われているほど素晴らしいとは思わないが、非常に楽しめた面白い作品だと思う。
登場人物も空気にはならないよう気を配っていたし、戯画化された貴族も面白かった。最後に帝国が勝利したというのも意外性があってよろしい。
それにしても、トリューニヒトとルビンスキーの死に方はどうにかならなかったのだろうか。この二人は気に入ってからもう少し上手くやってもらいたかった。
2005/04/10 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by ネルソン提督 評価履歴[良い:51(66%) 普通:9(12%) 悪い:17(22%)] / プロバイダー: 26561 ホスト:26369 ブラウザー: 4184
下の方々が良い意見をたくさん出してくれているので、私からは特に書くこともありませんが、とりあえず。

私には銀河英雄伝説という物語は物語の下に人物がいるのではなく、人物の下に物語があるように思われました。
もし、この物語にでてくる人物が何の変哲もないキャラクターだったなら、ここまで素晴らしい作品には到底
成しえなかったでしょう。
ヤン、シェーンコップ、アッテンボロー、ラインハルト、ロイエンタール・・・・などなど魅力溢れるキャラクター
たちが作り出す一つの歴史とも言える物語、それが銀河英雄伝説だったと思います。

ここまで書いておきながら何が言いたいかよく分からなくなってきたwので、この辺で止めますが、
要は良いキャラクターがいっぱいいました、ってことですw
2005/02/26 普通 [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by Yam. 評価履歴[良い:258(70%) 普通:72(20%) 悪い:36(10%)] / プロバイダー: 50109 ホスト:50182 ブラウザー: 6206
おもしろかったと思う。だが、設定にやっぱり疑問を感じてしまう。まあシチュエーションとキャラクターを楽しむ小説だとは思うのだが。つまらなくないしも読んでいる時は楽しかったのだけれどね。
2005/02/24 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by ねむねむ 評価履歴[良い:66(48%) 普通:8(6%) 悪い:63(46%)] / プロバイダー: 32756 ホスト:32761 ブラウザー: 3045(携帯)
それなりに突っ込む所もあるが、名作中の名作。書かれた年齢を考えると脱帽ものである。
あまり毒もないし、特に苦もなく読める。それ程読む人を選ばない。台詞回しといいとてもツボをついた作品。「衆愚政治と名君による専制」は自分も悩んでジレンマに陥るテーマなので。
2005/01/18 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/これだけ表示or共感/納得コメント投稿/]
by ZACK 評価履歴[良い:22(85%) 普通:0(0%) 悪い:4(15%)] / プロバイダー: 22495 ホスト:22364 ブラウザー: 5237
私の知り得る限りのゲーム・小説・漫画・アニメ・ドラマの中では間違いなく最高傑作だと思います。
まず主人公が二人いるかのようなところがいい。生い立ちも考え方もまったく異なる二人の英雄の戦い。
民主主義とはなんだ?というような深いことまで考えさせてくれます。
そして私がもっともこの作品を好きな理由はキルヒアイスとヤン・ウェンリーが死ぬから(怒っている人すみません)です。
今までに話の途中でこれほど重要なキャラクターたちが死ぬ作品があっただろうか。しかも話の中盤に。
キルヒアイスはラインハルトの分身も同然、ヤンに至ってはハッキリいって銀英伝の主人公です。
主役級のキャラたちが次々と死んでゆく。
確かにがっかりしますが、この作品が愛される大きな理由の一つではないでしょうか?
私にとって一番印象深いのはキルヒアイス・ヤン・ロイエンタールが死ぬ場面です。
銀英伝に限らず、人が死んでゆく場面は人をひきつけるのではないでしょうか。
FF7のエアリスしかり、ガンダムのララァしかり。
キャラクターが作品から消えていってしまう時の最後の言葉。最後の行動。それこそが人を最も感動させている気がします。
銀英伝はよく人が死ぬ。しかし、だからこそ私は銀英伝が大好きなのだと思う。
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