海外映画総合点ランキング: 106位/1,474作品中 (総合点21.02/偏差値53.36) 105位 <= =>107位
海外映画1997年総合点1997ランキング: 2位/26作品中 1位 <= =>3位
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英語タイトル: GATTACA
2005/02/12 最高! [編集・削除/削除・改善提案/論客限定表示/]
by エリス博士 評価履歴[良い:79(62%) 普通:8(6%) 悪い:40(31%)] / プロバイダー: 30260 ホスト:30139 ブラウザー: 4184
ガタカの評価ページがあったなんて、なんだか驚き。
お世辞にもメジャーな作品とは言えないし、このサイトに相応しい(?)評価しやすい作品が他にいくらでもありそうなものなのに・・・。(別に文句を言ってるわけではない)
この映画見た人少ないだろうな、と。
あらすじは・・・、遺伝子操作により、優秀な遺伝子を持った「適正者」が社会を支配し、遺伝子操作を受けていない劣等遺伝子を持つもの「不適正者」が虐げられる未来世界。自然出産により、「神の子」として生まれてきた主人公ヴィンセント。彼は、子供の頃からの夢である宇宙飛行士になるために、事故で半身不随になった適正者ジェロームからIDを買い取り、巧妙に身分を詐称して宇宙開発局に入社する。いよいよ、ヴィンセントが土星の衛星タイタンに出発する段になって、局内で不可解な殺人事件が起きる。警察の捜査により、「不適正者」であるヴィンセントは徐々に窮地に立たされていく・・・。
以後ネタバレあり。
非常に、詩的で美しい作品。近未来が舞台だが、ブレードランナーのような、SFチックなヴィジュアルデザインでなく、建物、乗り物、小道具一つとっても、レトロフューチャーな感じで統一されている。それらが、冷たい未来観をよりいっそう際立たせる。
何より、キャラクター達の描き方が素晴らしい。
不適正者として生まれ、先天的な心臓疾患を持っているヴィンセント。他方、遺伝子操作を受けて生まれた、知能、身体能力ともに完璧な「適正者」の傑作、弟のアントン。
エリート「適正者」として生まれたにもかかわらず、どんなにがんばろうとも2位止まりの元水泳選手ジェローム。
これらのキャラクターの悲哀と苦悩が見事に描かれている。
夜の遠泳、目隠しでの車道の横断など、ヴィンセントが自身の運命に抗い、自らを試しているシーンがたびたび出てくる。彼にとって、人生とは試練の連続であり、まさに命がけだ。しかし、恐らく誰の人生だってそうなのだろう。だからこそ見るものの心を強く打つ。
プロットとしてみてもよく出来ているという他ない。ヴィンセントは「不適正者」であるというだけで、父親から冷たく扱われ、社会から疎外される。この世界では「適正者」こそが善であり、美なのだ。
しかし、その適正者達が幸せかというと、彼らもまた、「適正者」という枠組みによって社会から疎外され、自らの力を出し切れないでいる。彼らは常にエリートでいなければないらないのだ。
ラストで、局内の検査員がはじめからヴィンセントが身分詐称していることを知っていながら、あえて見逃していたことが分かる。
彼もまた、ヴィンセントと同じように、優性遺伝子絶対の社会に疑問を持っていたのだ。人間の能力は測定器で測ることなどできないはずだから。ヴィンセントは常に一人で、この冷たく歪な社会と戦っていたつもりでいたが、実はそうではなかったと分かる。自分と同じような人間が他にもいたのだ。不適正者の自分を応援するような人間が。
恐らくこの作品、見る人によって好き嫌いがはっきり分かれるのではないかと思う。
しかし、本当に映画好きの人にはこの作品の良さが分かるのではないだろうか?とも思うのだ。(某映画批評サイトでもこの作品は高得点を挙げていたし)
とにかくハリウッド映画なのに、そう見えない不思議な味がある。スタッフはハリウッドからではなく、ヨーロッパから呼び寄せて撮影している。そもそも監督がアメリカ人ではないのだ!!
全編にわたって、美しくも哀切な旋律で映画を色どる、マイケル・ナイマンの音楽も素晴らしい。
ハリウッド映画的な「痛快さ」はないかもしれないが、心に染み入るような、深い感銘を与えてくれる作品。
評価は文句なく「最高」!!
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